こんにちは作業療法士のべんべです🤔
”全然眠れない” ”寝つきが悪い”
そのような要因は睡眠の環境にあるかもしれません。
睡眠環境を考えることもとても重要になります。
今回のテーマである睡眠を意識した照明の考え方は・・・・
それは何故か?
光の関係性を紐解きながら説明させて頂きます
光とメラトニンの関係
私たちの身体に備わっている体内時計は光を浴びることによって調整されています。
そして睡眠のホルモンであるメラトニンは朝の光を浴びてから14~16時間後に松果体という脳の部分から分泌され始め、眠りに入る準備を行います。(眠りを促します)
この眠りに重要なホルモンであるメラトニンは「明るい・暗いに依存」して分泌されます。その為、暗いところでは増大して眠気を誘いますが、明るいところでは分泌が抑制され、寝つきを悪くする要因となります。
すなわち、
夜間明るい中で過ごしているとメラトニンの分泌が抑制され眠りにくくなります。
ではどの程度の明るさであるとメラトニンは分泌が抑制されるのか説明していきたいと想います。
光の明るさ・強さ(照度)について
光の明るさは以下の図の通りであり、屋外が一番明るく、窓際、室内の順で減少します。明るければ明るいほど、覚醒度は高くなります。
(明るければ明るいほど目が覚めやすく、眠くなりにくい)
・晴天の日中の野外 100000ルクス
・曇り空の日中の野外 20000ルクス
・晴れたオフィスの窓際 3000ルクス
・一般のオフィス 1000ルクス
・一般住宅の室内 500ルクス
・地下通路 100ルクス
・飲食店の暗い客席 10ルクス
・晴れた日の満月の夜 0.2ルクス
(引用:小山恵美,1999より一部改変)
先ほどのメラトニンは夜間に200ルクス程度の照明を浴びても減少します。
その為、夜間に200ルクス以上の照明を浴びていると眠りにくくなります。
光の色とメラトニンの関係
特に光の中でもメラトニンの分泌の抑制に関与するのは440~490nmのブルーライト(波長の短い光)です。
その為、ブルーライトは暖色系に比べて覚醒効果が高いという事が分かります。夜間にブルーライトを浴びるとメラトニンの分泌が抑制されるため、眠りにくさにつながると考えられます。
このブルーライトが使用されているものとしては、照明器具(青白色の蛍光灯)はもちろんパソコン、スマホ、ゲームがあります。
その為、夜の寝つきをよくするためにはブルーライトを使用した照明ではなく、暖色系の照明を使用することが推奨されているのです。
睡眠中の明るさについて
就寝中は50ルクス以上の照明がついたままであると睡眠が妨害されるため、なるべく50ルクス程度の明るさにすることが望ましいです(豆球1つ程度)
本来であれば真っ暗の方が睡眠にとっては良いのですが、真っ暗であると眠れない方や夜間にトイレに起きる方では転倒の危険性もあることから少し明かりをつける事が良いと思われます。
また人は上から光に反応しやすいため、寝室の明かりは下方から光る間接照明やダウンライトを使用することでより入眠の質を高めることが出来ます。
またトイレや廊下など夜間の照明についても配慮することで夜間起きた際でもスムーズに入眠できると考えます。
まとめ
冒頭でも説明しましたが、
入眠をよくする照明の考え方としては以下の様になります。
・寝床に就く、1時間前にはダウンライトや間接照明に切り替える
・暖色系の蛍光灯か白熱灯を使用する
(パソコン、スマホなどは控える。もしくはブルーライトカット眼鏡の利用)
このように眠れない方の場合は睡眠環境についても聴取し、睡眠環境を整えていくことが重要となります。特に作業療法士的に考えると夜間の照明に関しては転倒のリスクを軽減させるためにも重要です。足元のセンサー式のライトなど睡眠と合わせて自宅環境の調整を行う際には提案できるとより専門性を高められるため、覚えておいていただけると幸いです。
参考・引用:
睡眠学入門ハンドブック.宮崎総一郎.日本睡眠教育機構
睡眠習慣セルフチェックシート.林光緒他.全日本病院出版
睡眠・生活リズム改善実践マニュアル.田中秀樹他.全日本病院出版
ストレスチェック時代の睡眠・生活リズム改善実践マニュアル―睡眠は健康寿命延伸へのパスポート―
本日もありがとうございました😊